私は、一口馬主で馬を選ぶ時に母馬の出産時年齢=繁殖能力を重視しています。
しかし、キズナ、ダイワスカーレット、タップダンスシチーなど、過去の名馬には「母がかなり年をとってからの産駒」もいます。それぞれ、母が20歳、16歳、19歳に生まれています。
一口馬主の出資検討時には、母の年齢については重視の度合いが違うと思いますが、一般的に以下のようなイメージを持たれる場合があるのではないでしょうか。
・母が高齢だとややマイナス評価
・初仔はややマイナス評価
今回は、母馬の出産時年齢と産駒の成績データを分析することで、これらのイメージが果たして正しいのかどうか、冒頭に掲げたような馬はあくまで例外なのか、また投資回収への影響まで含めて、調査してみました。
データはTarget frontier JVを使用し現3歳(2018年産)~17歳(2004年産)72,544頭の出走歴のある馬で集計しています。
ちなみに、私の馬を選ぶ基準は下記に掲載しています。これでレシステンシアも選ばれています。
母の年齢ごとの産駒頭数
分析に入る前に、まずは全体的なボリューム像を確認しておきましょう。以下は、出生時の母の年齢別に頭数をまとめたグラフです。
高齢になるほど、徐々に頭数が減っていく形になるのが良く分かります。
繁殖牝馬の多くは6歳までに現役を引退して繁殖に上がり、翌年以降に出産していく形が標準的といえますので、出産頭数のピークはやはり8歳前後となります。加齢とともに減っていくのは、繁殖生活の引退の他に、受胎率の低下なども要因として考えられます。
母が14歳以降の産駒は、全体の約2割です。5頭に1頭程度の割合ですので、そもそも母が高齢の馬は少数派といえ、活躍が少ないイメージなのはある意味当然。検証するにあたっては、母数の違い大前提ですね。
母馬出産時年齢と賞金額の関係
次に母馬出産時の年齢と賞金額の関係について調べてみましょう。
こちらも高齢になるほど、徐々に賞金が減っていく形になるのが良く分かります。
出産年齢7歳~11歳がピークになっておりその後年齢を重ねるごとに賞金額は減っていきます。20歳を超えるとピークの半分以下の額しか稼げていません。やはり高齢になればなるほど成績は落ちる傾向にある様です。
若い方も落ちる傾向にありますね。個人的に若い馬は競走馬として活躍できる年齢のため、何らかの理由(骨折等)で繁殖になる馬が多いと思いますので、そのあたりを注意したほうがいい気がします。
次は賞金5,000万円以上と1億円以上稼いだ馬の頭数を調べてみましょう。
高額賞金を稼いだ母馬出産時年齢と賞金額の関係
ピークとしては7歳から12歳ぐらいでしょうか。それぞれ全体の割合から導くと活躍した馬たちの約65%の馬がこの範囲から出ている計算になります。もう少し範囲を広げて5歳から15歳とすると約91%となり、多くの馬たちということになりますね。
まとめ(繁殖牝馬の重要性)
これまでの結果から見ても母馬の適齢期は存在すると言ってもいいでしょうね。
また、血統を重視する際に、よく種牡馬(父)を考慮していることは多くあります。しかし、繁殖牝馬も種牡馬と同じぐらいもしくはそれ以上の大きい影響があると論文等で公開されている。
米国や英国の研究で、産駒の素質は母馬から55~60%を、父馬から40~45%受け継ぐという報告があり、優秀な産駒を生み出すためには種雌梅の素質や要因について見直すことの必要性が提起されている。
競走馬総合研究所 及川正明
上記のように研究結果でも、父馬より母馬の寄与する割合が高いため、これからも母馬の重要性を私は重視していきたいと思います。
皆さんも参考にPOGや一口馬主に活かしてみてください!
最後に私の出資馬のレシステンシアからも一言あるみたい(笑)
私のお母さんも、私を7歳に産んでくれたみたい!
最後までありがとうございました!
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